「歌われる新聞」と呼ばれているプエルトリコ音楽「プレナ」について解説してみた!

Plena プレナ(Plena)
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こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。

今回はプエルトリコ発祥の音楽である、プレナ(Plena)という音楽ジャンルについて紹介していきます。以下でも紹介しますが、この音楽は「歌われる新聞」という別名を持つ、少しユニークな音楽ジャンルです。

 

プレナはどんな音楽?

プレナ(Plena)は、1875年頃にプエルトリコのポンセ周辺で生まれた、音楽です。

このプエルトリコの音楽は島の南部地帯、そして島の沿岸地域で主に演奏され、プエルトリコ音楽のなかでも人気のある音楽ジャンルです。

 

これは、西アフリカ、キューバやスペインなどさまざまな音楽的伝統が融合した音楽ジャンルでもあります。また、プレナは、英語圏のカリブ海の島々から仕事を求めてプエルトリコに渡った、奴隷たちの音楽にも影響を受けているそうです。

 

多くの奴隷やサトウキビ労働者、農民などが地方からサンフアン(San Juan)などの都市部に移り住んだ時代、プレナは都市の文化生活の一部となり、娯楽や非公式な社交行事で演奏されるようになりました。

そして、プレナは後に、ストリート・パーティーやカーニバルの音楽としても人気を博しました。

 

とはいっても、20世紀に入ると、プレナはサルサ(Salsa)メレンゲ(Merengue)など、よりモダンなジャンルに商業的に追い越され、衰退していってしまったといえます。



別名は「歌われる新聞」

プレナには少し変わった別名があります。

プレナは、しばしば重要な時事問題を扱っているため、ペリオディコ・カンタード(Períodico Cantado)(= 歌われる新聞)と呼ばれることもあります。

 

実際に、歌手はその日のニュースを朗読し、地元の政治家を風刺したり、事件やスキャンダルの速報を歌ったりします。

プレナは鋭い風刺に満ちていますが、他にも、ニュースや政治、抗議活動とは関係なく、日常生活、特に大衆社会に関連するテーマを、ユーモア、風刺、嘲笑のトーンで扱っています。

 

そのため、プレナは、メキシコ音楽、「コリード(Corrido)」のように、民衆の苦悩や皮肉が詳細に描かれた物語性のある歌だともいえます。

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他にも、プエルトリコ音楽である、レゲトン(Reggaetón)と同様に、プレナの音楽を通して、労働者が雇用主や政府による権力の乱用、社会の暴挙と考えることに対して救済を求めて真実を訴えることもあります。

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プレナとボンバの関係性

次に、プレナとボンバというプエルトリコの音楽の関係性について見ていきましょう。

 

プエルトリコの伝統音楽に詳しい専門家の多くは、歴史的・音楽的な理由から、「プレナ」と「ボンバ」を結びつけて考えているそうです。

実際、「ボンバ」と「プレナ」の2つの呼び名が、「ボンバ・イ・プレーナ(Bomba Y Plena)」という1つの用語になることもあり、これはプエルトリコの人なら誰でも理解できる言葉です。

 

歌と使われる楽器

プレナ音楽は、複雑なリズムに、ボンバサルサなど他のジャンルにも見られる即興のコール&レスポンスによるソネオが加わり、音楽は発展したといえます。

実際に、プレナ音楽では、アフリカ系アメリカ人の音楽表現に共通する、「ソリスト」とコール&レスポンスで歌う「コーラス」の交代劇が展開されます。

 

また、プレナ音楽は2/4拍子で演奏されます。

 

プレナは元々、ボンバのリズムにパンデレタ(Pandereta)を合わせただけのシンプルなものでした。

20世紀に入るとクワトロ(Cuatro)レキント(Requinto)ギロ(Güiro)ピアノなどが加わり、このプエルトリコ音楽は発展していきました。

パンデレタ(Pandereta):タンバリンのようなハンドドラム
クワトロ(Cuatro):ラテンアメリカの弦楽器(ギターのような楽器)
レキント(Requinto):小型のギター

そのため、大抵の場合プレナは、農村部ではクアトロ、ギター、ギロで演奏され、マラカス、ボンゴ、クラベスなどの楽器で補強されます。

また、プレナ音楽では、パンデレタを数個使用するのが一般的だとされていますが、農村部ではほとんど使われないそうです。

 

他にも、一般的ではないものの、アコーディオン、ハーモニカ、太鼓や管楽器(トランペットやクラリネットなど)が使われることもあるそうです。

 

現在では、ヴィオラやヴァイオリン、ピアノ、フルート、あらゆる種類の太鼓や金管楽器など、さまざまな楽器で現代風にアレンジされたプレナが多く演奏されています。



プレナの踊り

最後にプレナの踊りについて見ていきましょう。

 

通常、ラテン音楽ジャンルは、ラテンダンスジャンルでもあることが多いですが、プレナのダンスはあまり重要視されていません。

 

よって、プレナは踊ることもできますが、歌詞とメロディがより重要視されています。

そのため、プレナにはペアで踊るという極めてシンプルな踊り方以外には、特に決まった踊りのルールなどはないそうです。

 

まとめ

いかがでしたか?

今回の記事では、プエルトリコ音楽である、プレナについて紹介しました。

 

プエルトリコの代表的な音楽である、サルサなどと比べると、知名度は落ちますが、それでもプレナはプエルトリコの重要な音楽のひとつです。

ぜひプレナ音楽も聞いてみてくださいね!

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