こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。
このブログでは、ラテン音楽とラテンダンスについて紹介しています。
ペルー音楽について知りたい!
「ワイラシュ」って何?
「ワイラシュ」は「ワイニョ」との関係性がある音楽って本当?
ペルーの代表的な音楽のひとつとしてワイニョがあります。今回はワイニョのスタイルのひとつである「ワイラシュ(Huaylarsh)」について詳しく紹介していきます。
ワイラシュとワイニョの関係性とは?
まず、ワイラシュについて説明する前に、ワイラシュとワイニョというふたつの音楽ジャンルの関係性について紹介しますね。
冒頭でも軽く触れましたが、ワイラシュはワイニョのスタイルだと言うことが出来ます。
ちなみにワイニョ(Huayño)とはペルーのアンデス地域の主要ダンスのことを指します。この音楽の特徴としては、甲高いケチュア語の歌、独特な踊り、そして地方色が強い事などが挙げられます。また、これはカーニバル、イベントやお祭りなどでも踊られる祭典の踊りともされていますよ。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてくださいね。
「ワイラシュ」という音楽と舞踊について紹介!
では、ワイラシュについて詳しくみていきましょう。
ワイラシュの起源
ワイラシュ(Huaylarsh)はワイニョと同じく、ペルーの民族音楽です。これはフォルクローレの中でも代表的な踊りのひとつで、ペルーのフニン(Junín)のマンタロ渓谷(Valle del Mantaro)を代表する踊りでもあります。
語源について
次に語源についてみていきましょう。
ワイラシュの語源&由来はケチュア語にあると考えられています。ちなみに、ケチュア語はペルー、ボリビアやチリなどで話される先住民族の言葉です。
「ワイラシュ(Huaylarsh)」はケチュア語で「緑の草原」や「良い牧場地」などを意味する「Huaylla」と「優しさで愛する」ということを意味する、「Huaylluy」に由来していると言われています。
ワイラシュは「パチャママ」との関係性もある!?
このペルーの代表的な音楽&踊りはパチャママとの関係性もあります。ちなみに、パチャママは「母なる大地」と言う意味があり、これはペルーやアンデスの文化では非常に大切なものです。
ワイラシュはマンタロ渓谷で発展したワンカ(Wanka)文明を起源としています。そのため、種まきと収穫の季節にパチャママに感謝の気持ちを表すために生まれた音楽だということも知られています。また、ワイラシュの音楽を通して飢饉や食糧問題を解決するために豊作を呼びかけていたとも考えられています。
そのような背景もあり、ワイラシュではジャガイモ、トウモロコシ、キヌア、大麦などの種をまき、収穫するときの畑での動きを真似て踊られます。ですので、これは農作業を表現している踊りということもできますね!
ワイラシュのダンスは「農作業」!?
先ほども紹介したように、ワイラシュはアンデス山脈南部の祝祭的な種まきや収穫の踊りでもあります。この踊りの特徴としては、機敏な足の動きやエネルギッシュでダイナミックな動きなどが挙げられます。
また、この踊りには古いバージョン(当時のもの)と最近踊られている新しいバージョンがあり、それぞれダンスの意味が異なります。では、それぞれを見ていきましょう!
古いバージョン
古いバージョンのワイラシュは基本的には農業活動や農業作業に焦点を当てたものが多くなっています。古いバージョンのワイラシュは、昔から農作業の日の後に踊られていた踊りを呼び起こすためのものだといえます。
新しいバージョン
一方で現在のワイラシュは農業とはほとんど切り離され、愛に焦点を当てた愉快なレクリエーションのための踊りが一般的です。現代のワイラシュは、カップルとしての恋や求愛を表し、よりオープンな振り付けで踊られています。
このダンスは、長年にわたって都市部だけでなく農村部にも広まり、特にカーニバル、祭典や毎年行われる全国大会で披露されています。
ワイラシュのダンス動画
ではここで、ワイラシュのダンス動画を二本紹介しますね。この動画を見ることでワイラシュの踊り方はもちろん、衣装や曲調などについても知ることができますよ!
ちなみに、1:34あたりから本格的な踊りが始まります。
二つ目の動画は普段着で踊られているものです。先ほどの動画に比べると、踊りの特徴がより見やすいのではないかと思います。特に足捌きを見ると、とても巧妙でエネルギッシュに見えますよね。
ワイラシュのカラフルな服装について
次はワイラシュの衣装についてみていきましょう。
先ほどの動画を見ていただければわかりますが、ワイラシュの服装は全体的にとてもカラフルなものが多く、男女ともにウーステッド糸で刺繍された豪華な衣装を着用することが多いです。
男性と女性の衣装はそれぞれ異なっていますが、基本的に以下のアイテムを身につけていることが多いです。もちろん、稀に例外もあります。
男性:
- シャツ
- 刺繍の入ったウエストコート
- サイドにスリットの入ったフレアパンツ
- 「ワットルコ(Wat’ruco )」や「ワットラコ(Wat’raco)」と呼ばれる、色とりどりの模様が入った幅広の帯
- 「オホタ(Ojotas)」や「リャンキ(Llanqui)」と呼ばれる、革やゴムでできた靴
- 白いハンカチ
- 「チュク(Chucu)」と呼ばれる、黒または白の羊毛布でできた特徴的な帽子
女性:
- 「チュク(Chucu)」と呼ばれる帽子
- ベルトに野花を挿した「ルリパス(Lulipas)」
- 腕を覆うために着用される刺繍のないシャツ「マンガル(Mangars)」や「マキートス(maquitos)」
- カラフルな刺繍の入ったスカート
- 帽子の上部のベルトに花を付ける
ワイラシュは文化遺産に指定されている!?
実はこのペルー音楽「ワイラシュ」は2005年2月23日にペルーの当時の国立文化院(現文化省)が国家文化遺産に指定しています。正確にいうと、「フニン県のワイラシュ・ワンカ(Huaylarsh Wanka)舞踊が国家文化遺産に指定」されました。
この舞踊が文化遺産に登録されたという事実を知ると、この音楽はペルー文化のなかでも極めて大切なものであるということがわかりますよね!
まとめ
ワイラシュはワイニョのスタイルとして知られている、ペルーの音楽&舞踊ジャンルのことを指します。これは昔からペルーに強く根付いている音楽で、ペルー文化とも深い関係があり、文化遺産にも指定されていますし、パチャママとの関係性もある音楽です。
また、ワイラシュはもともと農作業を表したダンスでしたが、現在では少しテーマが変わり、愛に焦点を当てたものが多くなっています。いずれの場合も、とてもエネルギッシュでダイナミックなダンスが特徴的です。
以上、今回はワイニョのスタイルである「ワイラシュ」について紹介しました。
コメント
舞台とかペーニャでショートして踊る場合は、男女の競い合いというか駆け引き、(スペイン語でコントラブントというらしいですが)面白いのです。
ちなみに私は、ワイラスのサパテオがいくら練習してもできませんでした。
昔、ワイラスのコンクルソのビデオを購入したことがあるのですが・・・・
田舎っぽいワイラスと、Pon様がお書きになっているワイラスの2種類があるようです。
ワイラシュ(ワイラス)のサパテオ確かに難しいですよね^^;
私は、以下の踊り方の説明を見ながら、ゆっくり練習したらできるようになりましたよ!
https://youtu.be/DsCTy2wDfus(これは女性の踊り方です)
田舎っぽいワイラシュはコムン・ワイラシュのことでしょうか?
ワイニョ(ワイラシュ含む)のスタイルについては以下の記事でも紹介していますよ。
https://ponmigo.com/huaynotipo/
多分、コムン・ワイラシュだと思います。