こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。
今回はワイニョ(Huayño)のスタイルのひとつでもある、ワイラシュ(Huaylarsh)について紹介していきたいと思います。
ワイラシュとワイニョの関係性
冒頭でも軽く触れましたが、ワイラシュ(Huaylarsh)はワイニョ(Huayño)のスタイルのひとつでもあります。
ワイニョはペルー発祥の音楽で、ケチュア・アイマラ族に由来する舞踊と音楽のことをさします。
ワイラシュの起源
ワイラシュ(Huaylarsh)はペルーの民族音楽であり、特にペルーのワンカヨ(Huancayo)南部の代表的な舞踊です。
ワイラシュはフォルクローレの中でも代表的な踊りのひとつで、フニン(Junín)のマンタロ渓谷(Valle del Mantaro)を代表する踊りだと、言い換えることもできます。
また、これはアンデス山脈南部の祝祭的な種まきや収穫の踊りでもあります。
語源について
ワイラシュ(Huaylarsh)の語源、または由来はケチュア語にあると考えられています。
ちなみに、ケチュア語はペルー、ボリビアやチリなどで話される先住民族の言葉です。
「ワイラシュ(Huaylarsh)」はケチュア語で「緑の草原」や「良い牧場地」などを意味する「Huaylla」と「優しさで愛する」ということを意味する、「Huaylluy」に由来していると言われています。
ワイラシュとパチャママの関係性
ワイラシュの踊りはパチャママ(Pachamama)との関係性もあります。
アンデスの女神、パチャママ(母なる大地)について解説してみた!
この踊りは、マンタロ渓谷で発展したワンカ(Wanka)文明を起源とし、種まきと収穫の季節にパチャママ、もしくは母なる大地への感謝の気持ちを表すために生まれたことも知られています。
さらに、多くの場合、飢饉や食糧問題を解決するために豊作を呼びかけていたとも考えられています。
ジャガイモ、トウモロコシ、キヌア、大麦などの種をまき、収穫するときの畑での動きを真似た踊りです。
そのため、ワイラシュは農作業を表現しているともいえますね!
ワイラシュのダンス
ワイラシュはとてもエネルギッシュで、足の機敏な動きが特徴的なダンスだといえます。
そしてこのワイラシュには古いバージョン(当時のもの)と最近踊られている新しいバージョンがあり、それぞれダンスの意味が異なります。
古いバージョン
古いバージョンのワイラシュは基本的には農業活動や農業作業に焦点を当てたものが多くなっています。
古いバージョンのワイラシュは、昔から農作業の日の後に踊られていた踊りを呼び起こすためのものだといえます。
新しいバージョン
一方で現在のワイラシュは農業とはほとんど切り離され、愛に焦点を当てた愉快なレクリエーションのための踊りが一般的です。
現代のワイラシュは、カップルとしての恋や求愛を表し、よりオープンでカラフルな振り付けで踊られています。
このダンスは、長年にわたって都市部だけでなく農村部にも広まり、特にカーニバルの祭典や毎年行われる全国大会で披露されています。
ワイラシュのダンス動画
この動画ではワイラシュの踊り方と衣装の雰囲気について知ることができますよ!
ちなみに、1:34あたりから本格的な踊りが始まります。
二つ目の動画は普段着で踊られているものですが、より近くで踊りが観れるので参考になるかと思います。
ワイラシュの服装
ワイラシュの服装は全体的にとてもカラフルなものが多いといえます。現代のワイラシュの特徴は、男女ともにウーステッド糸で刺繍された豪華な衣装だといえます。
男性と女性はそれぞれこれらの衣装を身につけているといえます。
男性:
- シャツ
- 刺繍の入ったウエストコート
- サイドにスリットの入ったフレアパンツ
- 色とりどりの模様が入った幅広の帯「ワットルコ(Wat’ruco )」または「ワットラコ(Wat’raco)」
- 革やゴムでできた靴「オホタ(ojotas)」や「リャンキ(llanqui)」
- 白いハンカチ
- 黒または白の羊毛布でできた特徴的な帽子「チュク(Chucu)」
女性:
- 黒い帽子の「チュク(Chucu)」
- ベルトに野花を挿した「ルリパス(Lulipas)」
- 腕を覆う刺繍のない「マンガル(Mangars)」や「マキートス(maquitos)」
- カラフルな刺繍の入ったスカート
- 帽子の上部のベルトに花を付ける
あくまでもこれは一般的な衣装であり、すべてのワイラシュでこれらが着られているわけではありません。
この音楽は文化遺産でもある!?
実はこのペルー音楽、ワイラシュは2005年2月23日に当時の国立文化院(現文化省)が国家文化遺産に指定しています。
正確にいうと、「フニン県のワイラシュ・ワンカ(Huaylarsh Wanka)舞踊が国家文化遺産に指定された」ということです。

文化遺産ということは本当にペルーの文化の中でも大切なものなんだね!
まとめ
まとめとして、ワイラシュはペルーの音楽、そして舞踊であるといえ、ペルーの文化に必要不可欠なものだといえます。
パチャママとの関わりがあることからも、昔からペルーに強く根付いている音楽だといえますね!
コメント
舞台とかペーニャでショートして踊る場合は、男女の競い合いというか駆け引き、(スペイン語でコントラブントというらしいですが)面白いのです。
ちなみに私は、ワイラスのサパテオがいくら練習してもできませんでした。
昔、ワイラスのコンクルソのビデオを購入したことがあるのですが・・・・
田舎っぽいワイラスと、Pon様がお書きになっているワイラスの2種類があるようです。
ワイラシュ(ワイラス)のサパテオ確かに難しいですよね^^;
私は、以下の踊り方の説明を見ながら、ゆっくり練習したらできるようになりましたよ!
https://youtu.be/DsCTy2wDfus(これは女性の踊り方です)
田舎っぽいワイラシュはコムン・ワイラシュのことでしょうか?
ワイニョ(ワイラシュ含む)のスタイルについては以下の記事でも紹介していますよ。
https://ponmigo.com/huaynotipo/
多分、コムン・ワイラシュだと思います。