こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。
今回は「母なる大地」とも呼ばれているパチャママ(Pachamama)について解説していきたいと思います。
パチャママはサンファニート(SanJuanito)やティンク(Tinku)などといった南米のフォルクローレの歴史的背景に関連しているといえます。
パチャママの概念とは?
パチャママ(Pachamama)とは、アンデスの人々が崇拝する女神で、インカ神話では「母なる大地」と呼ばれれます。パチャママはアンデスの女神で、大地、豊穣、母、女性性に関連する女神とされています。
そのため、パチャママは生命を宿したり、人間を守ったり、育んだり、維持すると信じられているので、人々が敬意を表す対象だと考えられています。
中南米には約5,000万人が先住民族として暮らしていると言われています。これらの子孫は、自分たちの文化が歴史から失われないように、パチャママ信仰をはじめとする、先祖の伝統や習慣を維持しようとしています。
実際にボリビア、ペルー、エクアドル、アルゼンチン、チリなどの国々では、ケチュア族やアイマラ族の人々が女神パチャママを崇拝しています。
パチャママの信仰は民族によって異なり、また、長い年月をかけて変化してきました。
パチャママという単語の由来
「パチャママ(Pachamama)」とは、ケチュア語を起源とする2つの単語からなる言葉で、「パチャ(Pacha)」は「世界」「時間」「宇宙」「場所」を意味し、「ママ(mama)」は「母」を意味します。
そのため、アンデスのある民族にとって、パチャママは「母なる大地」であると説明されることが多いです。
パチャママの日について
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「パチャママの日(El Día de la Pachamama)」は毎年8月1日に行われ、これは母なる大地に敬意を表する日であり、アンデス文化にとって非常に重要な日です。
正式にはこの日に祝われますが、パチャママの日は、実質的に1ヶ月間続きます。
8月1日、人々は大地を清め、収穫物に感謝を捧げ、五穀豊穣と住民の守護を願う宗教的な行事が行われます。
土地への貢ぎ物は、8月だけでなく、毎月第一金曜日に行われる地方もあるそうです。
最近、この儀式は、先住民のコミュニティを通じて、都市部を含む全国に広がってきています。
パチャママへの供物とは?
パチャママへの供物は地域によって異なります。
古くは動物を生贄として捧げていましたが、現在では食べ物(トウモロコシ、コーン、小麦、米、豆など)、花、アルコール飲料やコカの葉などを供物として埋めるのが一般的になってきています。
コカの葉は、聖なる植物とされ、アンデスの宗教において最もよく見られる供物のひとつでもあります。
また、一部の地域では少し特殊な供物もあります。
例えば、調理した食品を入れた土鍋を埋める習慣が残っているところもあります。コカの葉、種子、果実、トウモロコシを発酵させた飲料、ピーナッツなどを鍋に入れるようです。
これらのほとんどの供物は、地面に掘った儀礼用の穴の中に置かれます。
古代の先住民族の人たちは、母なる大地に敬意を表し、食料となる作物、薬となる植物、家や道具を作るための木など、大地が与えてくれるすべてのものに感謝するために、祝宴や儀式を行っていました。
ちなみにこの祝宴での歌と踊りは明け方まで続くそうです。
パチャママは聖母マリアとも見なされる!?
パチャママの信仰は、スペイン人征服者が初めて南米に到着する何千年も前から存在していました。儀式や信仰は何世紀にもわたって口伝で伝えられてきたため、地域によってお祝いの内容は異なります。
スペインがアメリカ大陸を植民地化した後、征服者たちは原住民にカトリック教を強制的に導入させました。
宗教的な融合により、多くの先住民にとって聖母マリアの姿はパチャママの姿と結びついたようです。
カトリック教が入ってきた時、先住民族の人々は自分達の伝統を守りながら、新しい文化も取り入れたんだね!
例えば、ボリビアではパチャママはコパカバーナの聖母(la virgen de Copacabana)とされ、ペルーではカンデラリアの聖母(la virgen de la Candelaria)とされます。
今日、ケチュア族、アイマラ族とその子孫は、伝統的なパチャママ信仰と、カトリックの宗教を組み合わせることが一般的になっています。
そのため、母なる大地への儀式や供え物は、キリスト教の典型的な他の祭事や行為と並行して行われることもあります。
アルゼンチンにはパチャママ博物館がある
アルゼンチンのトゥクマン(Tucumán)には、パチャママ博物館があり、この地域に住んでいた先住民族の起源や習慣、その子孫がパチャママを敬い続けていることなどが説明されています。
パチャママは本当に南米の先住民族の人たちにとって大事な存在なんだね!
パチャママの容姿
パチャママの容姿として一般的に言われているのは、「非常に背が低く、頭が大きく、足も大きく、大きな帽子をかぶり、大きなビーチサンダルを履いている」と描写されています。
また、「母なる大地」という別名からも察することができますが、パチャママは水中や山の中の老女として表現され、アンデスの伝統衣装を着ているイメージなどもあります。
そしてパチャママは嫉妬深く、辛辣で、復讐心に燃えているが、好きな人がいれば好意を抱き、怒ると雷が鳴り、嵐になると言われています。
まとめ
結論として、パチャママはアンデスの人々が崇拝する女神で、「母なる大地」とも呼ばれている存在だといえます。
また、パチャママの先住民族への影響は大きく、とても重要だといえます。
パチャママととても似ている概念で「ニャケ・マプ」というものもあります。これらの違いは以下の記事で紹介しているので、興味のある方はあわせて読んでみてくださいね!
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