演奏は全て即興!?プエルトリコ音楽「ボンバ」について解説してみた!

ボンバ(Bomba)

こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。

このブログでは、ラテン音楽とラテンダンスについて紹介しています。

 

「ボンバ」って何?

プエルトリコの音楽ジャンルについて知りたい!

アフリカ系の音楽に興味がある!

今回は、以上のような、ボンバに関する質問にお答えします。

 

この記事を読むことで、プエルトリコのボンバについての理解を深めることもできますし、アフリカ系の音楽についても知ることができます。

ちなみに、今回の記事で紹介するのはプエルトリコのボンバ(Bomba Puertorriqueña)です

 

プエルトリコのボンバとは?

ボンバ(Bomba)はアフリカが起源の、プエルトリコの音楽ジャンルです。

ボンバは、16世紀にアフリカから拉致され、プエルトリコをはじめとするアメリカ大陸に連れてこられた黒人奴隷の人々(ほとんどがスーダンとバントゥー(bantú)の子孫)によって伝わったといえます。

バントゥー(bantú)族はアンゴラ、モザンビーク、コンゴの人々です。

 

また、このプエルトリコの音楽は、奴隷制度の中で非常に重要な表現として、さらに精神的な強さを表すものとして登場しました。

そのため、このジャンルは、奴隷の人々が多く住む海岸地帯を中心に生まれた音楽です。

 

ちなみに、カリブ海沿岸はもちろん、アメリカ大陸の他の国々にも同様のルーツを持つ音楽ジャンルは存在します。

キューバ音楽である、マンボ(Mambo)もその一例です。

 

興味深いことに、ボンバはアフリカ人の手で作られたものの、スペインやフランスの影響も受け、長い年月をかけてプエルトリコ独自のものとなったジャンルのひとつとしても認識されています。



ボンバのスタイル

次にボンバのスタイルを見ていきましょう。

 

プエルトリコには、いくつかのスタイルがあり、それぞれ異なった特徴があります。

これらのスタイルは、Sones de Bomba(ソネス・デ・ボンバ)Seises de Bomba(セイセス・デ・ボンバ)などと呼ばれています。

 

このプエルトリコ音楽のリズムの数は、分類の仕方などによって異なりますが、メインのスタイルは以下の4つのようです。

  • シカ(Sicá)
  • ユバ(Yubá)
  • クエンベ(Cuembé)
  • オランデ(Holandé)

 

 

また、マヤグエス(Mayagüez)サントゥルセ(Santurce)ロイサ(Loiza)ポンセ(Ponce)などの町は、プエルトリコのボンバを構成するスタイルの発祥地です。

 

ちなみに、ボンバの発祥地のひとつである「ポンセ(Ponce)」は、同じくプエルトリコ音楽である、プレナ(Plena)の発祥地でもありますね!

 

ボンバのダンス

プエルトリコに連れてこられた奴隷の人々は、母国への気持ちを表したり、懐かしさを感じるために、このプエルトリコ音楽を踊ったとされています。

 

ボンバではダンサーがミュージシャンをリードします

ダンサーの踊りに合わせたリズムを演奏する必要があるため、演奏者には即興力が求められます。

例えば、女性のスカートの動きやターン、男性のストンピングや体の動き、帽子の動きなど、ダンサーのスピード感や熱気に合わせて、演奏者も演奏しているのです。

 

ボンバのダンス 参考動画

以下の動画では、ボンバの演奏と踊りが確認できます。

 

注意深く見てみると、太鼓の前にマイクが置かれている演奏者が二人いますよね。この人たちの演奏をよくよく見ていると、3:35あたりから出てくる女の人の踊りに合わせて演奏していることがわかります。

例えば、女の人が高速で足踏みをしているときは、ドラムも早く叩いたり、女の人がスカートを開閉するときには、その動きに合わせてドラムの音の強弱を調整したりしていますよね。

そのため、ドラムの演奏者はただただ音楽を演奏するだけではなく、女の人の踊り方を常に見ている必要がありそうです。

 

また、女の人の踊り方は、ボンバがアフリカ由来の音楽だとわかるような踊り方ですよね。特にスカートをクルクルと動かしている様子はアフリカの踊りでもみられそうな動きですね。

個人的にはこの踊りが、アフリカ系キューバ音楽である、「グアグアンコ(Guaguancó)」と似ている気がしました。



 

ボンバで使われる楽器

ボンバでは、ソリストとコーラスが交互に歌います。

 

また、演奏で使われる楽器は、クア(Cuá)マラカ(マラカス一本のみ)と、バリレス(Barriles)と呼ばれる太鼓のみです。

基本的に、マラカは歌い手によって演奏されます。

 

ボンバで使われる太鼓「バリレス(ボンバ樽)」とは?

ボンバの演奏で使われる太鼓はラム酒の瓶詰め用の樽から作られたため、「バリレス(Barriles)(= ボンバ樽)」と呼ばれています。

ちなみに、樽に使われている革は、山羊の革です。

 

また、このプエルトリコ音楽の演奏では、複数のドラムが使われます。

第二ドラムはギアドール(guiador)、またはレピカドール(repicador)と呼ばれ、即興演奏の基礎となる一定で安定したリズムパターンを維持するという役割を担っています。

というのも、ボンバの演奏は「即興」なため、演奏者は歌い手がリズムを示し始めるまで、演奏すべきリズムを知らないことも多々あるそうです。

ですので、この太鼓の役割はとても重要です。

 

また、ダンサーが踊り出すと、演奏者はよりエネルギッシュでアグレッシブなドラミングをするため、ダンスとドラムの素晴らしい論争が展開されます。

 

さらに、このプエルトリコ音楽では、第二ドラムのビートで、踊られるボンバのスタイルが決まるそうです。

 

まとめ

プエルトリコのボンバはアフリカ大陸から連れてこられた奴隷の人々によって作られた音楽だということがわかりましたね。

ボンバ音楽では、バリレスと呼ばれる太鼓がとても重要な役割を果たしており、この太鼓のリズムで、スタイルも決められているようですね。

 

今回の記事では、プエルトリコ音楽である、ボンバについて紹介しました。

 

ボンバはとてもエネルギッシュな音楽ジャンルであり、ドラムのビートを聞くと、つい踊り出したくなってしまうような音楽です。

「ボンバ音楽を聴きたい!」と思った方は以下の記事もどうぞ。

 

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