こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。
このブログでは、ラテン音楽とラテンダンスについて紹介しています。
「トナーダ」はどんな音楽?
トナーダの国別の特徴が知りたい!
今回は、各国のトナーダ(Tonada)について紹介します。トナーダは南米各地で発展したラテン音楽で、それぞれ異なるスタイルや特徴があるので、とても興味深いですよ。
では、本題に入っていきましょう!
トナーダとはどんな音楽なの?簡潔に紹介!
トナーダの各国の特徴について紹介する前に、トナーダとはどんな音楽なのかを大まかに紹介しますね。
トナーダ(Tonada)とは、スペイン北部で発祥したと考えられている音楽ジャンルです。これは踊りがない音楽ジャンルでもあり、歌がとても重要視されています。また、トナーダの演奏はギターを中心としており、全体的に、静かな雰囲気が特徴的です。
詳しくは以下の記事でも紹介しています。
南米の5カ国でトナーダは発展した!
トナーダはスペイン発祥の音楽であると前述しましたが、この音楽は南米の各国で発展を遂げたと言えます。そのなかでも特にトナーダが発展した国がアルゼンチン、エクアドル、チリ、ボリビア、ベネズエラの5カ国です。
これらの国でのトナーダはそれぞれどのようなものなのか、そしてどのような特徴があるのかをみていきましょう!
アルゼンチン (トナーダ・クヤナ)
まず、最初に紹介するのはアルゼンチンのトナーダ、通称「トナーダ・クヤナ(Tonada Cuyana)」です。これはアルゼンチンのクヨ(Cuyo)地方のもので、その地域の名前を使って、このような名前になったと考えられます。
アルゼンチンでは、通常、ギター奏者がデュオなどを組んで演奏します。また、このスタイルのトナーダでは、ギターなどの弦楽器のみを伴奏とし、太鼓などのその他の楽器は一切使用しません。
トナーダがアルゼンチンで聞かれるようになった正確な年代は定かではありませんが、トナーダは現在も、アルゼンチンのクヨ地方に住む人々の生活と切り離すことのできない存在となっています。
ちなみに、毎年2月、クヨ地方のトゥヌヤン(Tunuyán)市では、「全国トナーダ祭(el Festival Nacional de la Tonada)」が開催されています。もし、ライブでトナーダを聴いてみたいと思った方は、少し遠いですが、アルゼンチンまで旅行してみるのもありかもしれませんね。
チリ(トナーダ・チレーナ)
次に紹介するのはチリのトナーダ、通称「トナーダ・チレーナ(Tonada Chilena)」です。
チリのトナーダはチリの民俗音楽で、クエカ以上に農民歌の代表格だといえます。この音楽は20世紀前半のチリにおける社会階級の変化とほぼ平行して、田舎から街への音楽の流動性をもたらしました。
通常、チリのトナーダは女性歌手のデュオに、ギターとハープのみの伴奏で演奏されます。また、チリのトナーダでは6/8拍子と3/4拍子が交互に繰り返されるという、独特なリズムがあります。この特徴はチリのクエカにも非常によく似ています。
さらに、この音楽の主題は一般的に、風景、動物や田園風景を暗示するものが多いです。しかし、トナーダは場面に応じて、セレナーデや新郎新婦への賛美や祝福などとして披露されるもことがあります。ちなみに「セレナーデ」という言葉は「夜に、恋人の窓辺などで歌ったり、奏でられたりする愛の歌」のことを指しています。
エクアドル(トナーダ・エクアトリアーナ)
次に紹介するのはエクアドルのトナーダ、通称「トナーダ・エクアトリアーナ(Tonada Ecuatoriana)」です。
エクアドルのトナーダは、エクアドルのアンデス地域で非常に人気があります。これは先住民やメスティーソの祭りによく見られ、バンドで演奏される、メスティーソの音楽です。ちなみに、「メスティーソ」は「白人とラテンアメリカや先住民との混血である人々」のことです。
また、エクアドルでは、トナーダはダンサンテ(Danzante)とヤラビ(Yaraví)から派生した音楽だと考えられているそうです。
確かに、ヤラビとトナーダは両方ともギターが中心となっている音楽という意味ではとてもよく似ていますよね。
ボリビア(トナーダ・ボリビアーナ)
次に紹介するのはボリビアのトナーダ、通称「トナーダ・ボリビアーナ(Tonada Boliviana)」です。
ボリビアのトナーダでは、チャランゴや他の同様の和音楽器とともに歌われるものや、ギターやアコーディオン、いくつかの即興打楽器を使って演奏されるものなどがあります。
いずれの場合も、形式的な構造は単純で、歌詞の即興性が強調される形となっています。
ベネズエラ(トナーダ・ベネゾラーナ)
最後に紹介するのはベネズエラのトナーダ、通称「トナーダ・ベネゾラーナ(Tonada Venezolana)」です。
ベネズエラでは、トナーダは通常、乳搾り、耕作、狩猟、漁業、脱穀、トウモロコシの粉砕、収穫など、田舎に住んでいる人々の様々な作業に寄り添う作業歌とされています。これらの歌は、労働の儀式であると同時に、共通の仕事をする者同士の共存の精神を象徴しているともいえます。
まとめ
トナーダはスペイン発祥の音楽ですが、この音楽は南米の各国で発展を遂げました。そのなかでも特にこの音楽が発展した国がアルゼンチン、エクアドル、チリ、ボリビア、ベネズエラの5カ国です。
それぞれ独自のスタイルがあり、それぞれ異なった特徴がありますよ。
トナーダの曲をもっと聴きたいと思った方は、以下の記事もあわせてどうぞ。
以上、今回は南米各国のトナーダについて紹介しました。