こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。
今回はメキシコ音楽である、テハノ(Tejano)について解説していきます。
テハノ音楽とは?
テハノ(Tejano)音楽は、メキシコ北部やテキサス州のヒスパニック系住民の間で生まれた音楽です。
ちなみに、この音楽の名前は、メキシコ人がテキサス州に定住した際に、文化が混ざり合ったことに由来しています。というのも、「テハノ」はスペイン語で「テキサス人」という意味があります。
また、テハノ・ミュージックは、テックス・メックス・ミュージック(Tex-Mex Music)とも呼ばれ、メキシコ、アメリカとヨーロッパの影響を融合したポピュラー音楽のスタイルのことを指します。
このジャンルは1990年代に人気を博したそうです。
テハノはヨーロッパ起源の音楽?
では、テハノの起源についてみていきましょう。
このメキシコ音楽は、ドイツ、ポーランドやチェコ共和国出身のヨーロッパ人がテキサスとメキシコに移住し、彼らの音楽とダンスのスタイルを持ち込んだことが始まりだと考えられています。
初期のテハノ音楽は、コリード(Corrido)やマリアッチ(Mariachi)といったメキシコの伝統的な音楽と、1850年代にテキサスやメキシコに移住した、ドイツ、ポーランド、チェコの移民によってもたらされたポルカ(Polka)などヨーロッパ大陸のスタイルが融合して発展しました。
また、ヨーロッパからの移民が持ち込んだ、アコーディオンもテハノ音楽の特徴のひとつです。
テハノのダンスはカントリー音楽とほぼ同じ!?
では、次にテハノのダンスについてみていきましょう。
テハノ音楽は、カントリーミュージックに似たスタイルで踊ることが多く、メキシコの伝統的なワンステップダンスに様々な工夫や2ステップのステップが組み合わされています。
一般的に、カントリーミュージックで踊れる人なら、テハノを踊るのも割と簡単だといえます。
また、テハノの踊りでは、カントリーミュージックと同じように、ダンサーは反時計回りにダンスフロアを移動します。
テハノで使われる楽器は決まっている?
テハノでは、ある程度決まった楽器を使って演奏されることが多いです。
テハーノ音楽は、アコーディオンとギター、またはバホ・セクストという小グループで演奏されるのが伝統的です。
ですが、現代のテハノ音楽では、エレクトリック・ギターが使用されることもあり、ほかにも、フルート、ギター、ドラムなどが使われることもあります。
テハノで使われる楽器は、テハノの種類によっても異なってきます。
ですので、以下でそれぞれの種類と使われる楽器についてもみていきましょう。
3種類のテハノを紹介!
テハノには大きく分けて3種類あります。
- アンサンブル(コンフント)
- オーケストラ
- モダン・テハノ
それぞれを紹介しますね。
アンサンブル
テハノ音楽の中で、最も人気のある種類は、コンフント(Conjunto)と呼ばれる、アンサンブルです。
この種類のテハノ音楽は、1930年代にナルシソ・マルティネス(Narciso Martínez)というメキシコの音楽家がアコーディオンをテハノ・サウンドで重要な楽器とし、そこにバホ・セクスト(Bajo Sexto)とドラムと組み合わせて、定義したものです。
この新しい音楽スタイルは「コンフント(=アンサンブル)」と呼ばれ、すぐに労働者階級に好まれる音楽となったそうです。
オーケストラ
2つ目の種類はオーケストラです。
オーケストラは、エレキギターやシンセサイザーを使用して、演奏されるテハノ音楽です。
そのため、主な楽器はベース、ドラム、エレキギター、アコーディオン、シンセサイザーなどで、そこにアコーディオンが加わることもあります。
モダン・テハノ
3つ目の種類はモダン・テハノです。
これは、他の2つの形式(アンサンブルとオーケストラ)をブレンドし、シンセサイザーに重点を置いたよりモダンなサウンドを導入したものです。
そのため、主な楽器はシンセサイザー、ドラム、エレキギター、ベース、アコーディオンで、時にはサックスも使われます。
テハノの歌詞
次にテハノの歌詞についてみていきましょう。
テハノで歌われれる歌は、苦労話や恋愛、階級闘争など、大衆的な歌詞のものが多かったです。
ですが、20世紀後半になると、歌に英語を取り入れることが多くなり、アメリカのカントリーやロックと同化していきました。
テハノ音楽を象徴する人物とは?
最後に「テハノ音楽を象徴する人物」について簡単に説明しますね!
結論から言うと、テハノ音楽を象徴しているのは、テクスメクス系の歌手、セレーナ・キンタニーラ・ペレス(Selena Quintanilla-Perez)です。
彼女は「クンビア(Cumbia)の女王」とも呼ばれていた人物です。
セレーナは、テックスメックス系アーティストとして初めてグラミー賞を受賞し、アルバム『Ven conmigo』はラテン系アーティストとして初めてゴールドを獲得しました。
また、彼女の悲劇的な死の衝撃は、彼女の音楽がアメリカの人々により注目されることを促したといえます。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、メキシコ音楽である、テハノについて紹介しました。
21世紀に入り、テハノ音楽の影響力は、プロモーションの衰退、メキシコやラテンアメリカの地方音楽の成長、既存の演奏家の崩壊や引退、新しい演奏家の出現などの理由により、低下してしまっているそうです。
しかし、今日もテハノ音楽は、メキシコ系アメリカ人のコミュニティや、アメリカの他の地域でも、重要な地域スタイルとして残っていますよ。
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