こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。
このブログでは、ラテン音楽とラテンダンスについて紹介しています。
「世界のサルサの首都」ってどこ?
コロンビアのカリは「世界のサルサの首都」なの?
コロンビアのボゴタが新しい「世界のサルサの首都」になったって本当?
ラテン音楽やラテンダンスが好きな方であれば、「サルサ」という音楽&ダンスジャンルについて知っている方も多いと思います。皆さんはこのサルサというジャンルに対して、どこの国や都市のものであるというイメージが強いですか?
キューバ、プエルトリコ、ニューヨークやカリなどがおそらく頭に浮かんでくるのではないでしょうか?
現在、「世界のサルサの首都」と呼ばれている場所はコロンビアのカリです。最近では、ボゴタが新たなサルサの中心地だと主張する声もありますが、果たして本当にそうなのでしょうか?この記事では、カリがなぜ「世界のサルサの首都」と称されるのか、その理由を5つ紹介していきます。
カリとサルサの深い関係
コロンビアのカリは、世界のサルサの首都として、楽しさ、ダンス、良い時間を求める地元の人々や観光客にとって魅力的な場所です。以下では、カリがサルサの中心地だと考えられている5つの理由を紹介します。
サルサはカリの人々のアイデンティティの一部
カリは、コロンビアの西部に位置する都市で、サルサ文化が根付いています。この街では、たくさんの人がサルサを踊り、カリの人ほぼ全員がサルサの歴史やスタイルについて何らかの知識を持っています。
そして、カリにはサルサ・カレーニャ(Salsa Caleña)というコロンビアカリ発祥のダンススタイルまであります。これはリズムの速さが特徴的なダンススタイルで、カリの人々の「もっと速いサルサを踊りたい」という考えから進化したものです。
そのため、地元の人々はこの文化に誇りを持っており、カリの人々にとってサルサは単なるダンスや音楽ではなく、彼らのアイデンティティなのです。
また、サルサ・カレーニャが世界中で知られているということも、カリのサルサの影響の大きさを表しており、この文化的背景からもカリが「世界のサルサの首都」だということができます。
ダンス学校の充実
次に、カリにはたくさんのサルサダンス学校があるということが挙げられます。その数は、他の都市と比較しても圧倒的です。実際に、私がカリにダンス留学に行った時も、徒歩圏内に何校もダンス教室を見つけました。時には、500m以内に3箇所ぐらい発見する時もありました。
また、カリで出会った外国人の多くも、私と同じようにダンス教室に通っている印象を受けましたが、同じ教室に通っている人はほとんどいませんでした。みんな異なるダンス教室の名前を挙げていたので、このことからもカリには本当に多くのサルサダンス学校があることが分かります。
こうした環境は、ダンスの技術を向上させるだけでなく、カリのサルサ文化を世界に広める役割も果たしているといえます。
サルサクラブとバーの多さ
次に、カリには本当にたくさんのクラブやサルサバーがあるということが挙げられます。私が実際に行ったサルサに関するクラブやバーは10軒ぐらいですが、おそらくカリには100軒以上のサルサに関するクラブやバーがあります。
他の都市では、サルサに特化しておらず、いろいろな音楽ジャンルをかけているクラブやバーもあるなか、カリではサルサのみに特化している場所がたくさんあります。
実際に私が行ったカリのクラブはどこも常に活気があり、地元の人々はもちろん、観光客も一緒になって踊る光景が広がっていました。このような社交的な環境が、カリのサルサ文化をさらに深める要因となっています。
有名なサルサアーティストたち
カリは、多くの有名なサルサアーティストやグループを輩出しています。その有名な例としては、グルーポ・ニチェ(Grupo Niche)やるカリ・フロー・ラティーノ(Cali Flow Latino)などがあります。
これらのグループは世界各国でツアーを行い、カリのサルサを広めていますし、これらのグループのおかげでカリには多くの観光客が集まったり、世界各国でカリがサルサで聖地であるという印象になっているんだと思います。
「世界のサルサの首都」に関する論争
ちなみに、2024年10月ごろにはカリ・フロー・ラティーノが「もうカリは世界のサルサの首都ではない。ボゴタ(コロンビアの別の地名)が世界のサルサの首都だ!」というようなことを言い、ネットで話題になりました。しかし、今でも多くの人がカリこそが世界のサルサの首都だと考えており、私もそう思っています。
正直なところ、カリ・フロー・ラティーノがそのような発言をしたのは、カリのサルサをさらに盛り上げるため、そして地元の人々にもっと情熱を持ってもらうために、あえて挑発したのではないかとも感じています。(実際のところは分かりませんが)
豊富なサルサイベント
カリでは、数多くのサルサイベントが開催されています。世界サルサフェスティバルもカリで開催されており、このイベントには世界中からダンサーや観客が集まっていますし、毎年12月にあるカリのフェリアと呼ばれるお祭りでもサルサが踊られます。
そのほかにも、小さな地域のイベントでも、必ずサルサの演奏はありますし、それにあわせてサルサを踊っている人もたくさんいます。
実際に私もカリに行ったときに、世界サルサフェスティバル2024も見てきましたし、そのほかのイベントに行ったときにも必ずサルサの演奏を聴いたり、ダンスを見たりしました。だからこそ、カリは「世界のサルサの首都」と呼ばれるにふさわしい場所だと思います。
なぜボゴタは違うと思うのか
先ほど、カリ・フロー・ラティーノがボゴタをサルサの中心だと主張したことで、ネット上で論争が起きたと言いました。しかし、私や多くのカリの人々は、ボゴタが世界のサルサの首都ではないと考えています。
そこで、なぜボゴタを世界のサルサの首都とは思わないのか、私なりの見解をお伝えします。
ボゴタ特有のサルサスタイルがない
まず、ひとつ目としてあげられることは、ボゴタには、独自のサルサスタイルがないということです。カリにはサルサ・カレーニャがありますが、ボゴタには「サルサ・ボゴタナ」のようなスタイルが存在しません。
ボゴタは独自のサルサ文化を発展させていないことから、私はボゴタをサルサの聖地とは思えません。
ボゴタではサルサが日常生活と結びついていない
次の理由は、ボゴタではサルサが日常生活に根付いていないことです。
私はカリのクラブに行ったときに、ボゴタから旅行でカリに来ているという、男性た8人と話しましたが、みんな口を揃えて、「ボゴタではカリほどサルサを踊らない」と言っていました。ボゴタではレゲトンなど他の音楽が主流のようです。
なので、このことからもボゴタではサルサへの熱意があまりないということが伺えます。
踊る技術の差
さらに、踊る技術に関してもボゴタとカリでは差があるように感じました。
実際に、カリのクラブで会ったボゴタの男性たちと一緒に踊ったところ、ほとんど全員が基本的なステップしか知らず、サルサが得意ではない印象を受けました。
もちろん、ボゴタの人全員が踊れないわけではありませんが、カリの人たちに比べると、サルサダンスのレベルはやや低いのではないかと感じました。
まとめ
コロンビアのカリは、サルサの文化が豊かで、ダンスを愛する人々が集まる「世界のサルサの首都」としてふさわしい場所です。サルサはカリの人々のアイデンティティの一部であり、多くのダンス学校、クラブ、アーティスト、イベントがその文化を支えています。
また、ボゴタが新しいサルサの聖地だと主張する意見もありますが、カリの人々のサルサへの熱意や文化に触れた結果、私自身はカリこそが本当のサルサの聖地だと感じています。
なので、カリではこれらもサルサ文化が発展して行くと思いますし、個人的には、これからもカリのサルサが世界中に広がっていくことを願っています。
以上、今回はコロンビアのカリが「世界のサルサの首都」と呼ばれる理由についてご紹介しました。
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