ダンソネーテ|ひとりの音楽家によって作られた新しい「ダンソン」!?

Danzón ダンソネテ(Danzonete)
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こんにちは、Ponmigo(ポンミーゴ)です。

このブログでは、ラテン音楽とラテンダンスについて紹介しています。

 

「ダンソネーテ」ってどんな音楽ジャンル?

「ダンソン」と「ダンソネーテ」って違いがあるの?

キューバの音楽ジャンルについて知りたい!

今回は、ダンソネーテ(Danzonete)というキューバの音楽ジャンルについて紹介します。

 

この記事を読むことで、ダンソネーテはどんな音楽なのか、どんな特徴があるのか、ダンソンとの関係性など、ダンソネーテに関する知識を深めることができます。

 

「ダンソネーテ」とはどんな音楽ジャンル?

ダンソネーテ(Danzonete)キューバの音楽家で作曲家のアニセト・ディアス(Aniceto Díaz)が1929年にキューバの都市である、マタンサス市(Matanzas)で作った音楽ジャンルのことです。

また、このキューバの音楽はソン(Son)という音楽の要素を取り入れたダンソン(Danzón)です。

ソン(Son)については後日別記事にて紹介しますね!

 

ダンソネーテは1930年代にキューバ人の演奏と踊りに革命をもたらし、キューバのラジオやテレビ、レコードの世界では、天才的な歌声を持つパウリナ・アルバレス(Paulina Álvarez)のおかげで名声を得ました。

ちなみに、パウリナ・アルバレス(Paulina Álvarez)は「ダンソネーテの女王」とも呼ばれているんですよ!



ダンソネーテの歴史について紹介!

では、ダンソネーテがどのようにできたのかという歴史について紹介しますね!

 

ダンソネーテはダンソンの代わりにできた音楽?

先述したように、ダンソネーテはダンソンソンというふたつのキューバの音楽ジャンルが元になっています。

この元になっている音楽「ダンソン」は1879年ごろにできたキューバの音楽で、1920年代末には世間的な人気を失い始めていました。

 

そこで、アニセト・ディアス(Aniceto Díaz)が作った音楽がダンソネーテです。

以下でより詳しく解説しますね。

 

アニセト・ディアスが生み出した新しいスタイル

ダンソネーテの起源を理解するには「アニセト・ディアス(Aniceto Díaz」についても知る必要があります。

アニセト・ディアスはキューバの音楽家、作曲家、そして指揮者です。

 

ダンソンの人気低下とソン

ある夜、彼がオーケストラと一緒にダンスを楽しんでいたとき、ダンソンの演奏中はほとんどの人が踊らなかったことに対して、シンプルなメロディーと一定したリズムを持った音楽「ソン」が、サロンではとても楽しまれていることに気づきました。

そこでアニセトは当時、新しいダンスを構成しようとすることなく、自分がよく知っているダンソンの基礎的な要素に、ソンの要素を取り入れることでそのリズムのバリエーション(ダンソネーテ)を創作しました

そして、第4部(より生き生きとしたパート)と声(歌)を取り入れることに決めたそうです。

アニセト本人によれば、これは新しいダンスではなく、ダンソンに対抗するものでもなく、むしろダンソンを新しくするものでした。

 

初のダンソネーテ曲と彼のオーケストラ

また、ロンピエンド・ラ・ルティーナ(Rompiendo la Rutina)と題された最初のダンソネーテはアセニトにより作曲されたものです。

彼は自身のオーケストラを設立し、この最初のダンソネーテは1929年6月8日にキューバ マタンサスのカジノ・エスパニョールでの舞踏会で初演されました。


Rompiendo la rutina の曲はこちら

 

公開された瞬間から、アニセトのオーケストラは瞬く間に名声を得ました。

彼らは毎日マタンサスのサロンや社交界で演奏し、1925年11月にはマタンサスのPWXラジオ局の開局式で、その数ヵ月後にはハバナ市のキューバ・テレフォンで演奏しました。

 

その後、彼はエル・トリへミーノ(El Trigémino)、エル・ココドリロ(El cocodrilo)、ゾーナ・フランカ(Zona franca)、ドゥルセ・イマへン(Dulce imagen)、エングレイダ(Engreída)などのダンソネーテを作曲したそうです。

 

 

新しいものには何でもそうであるように、ダンソネーテにも賛否両論がありました。

ですが、確かなのは、それがキューバの首都であるハバナに届き、1930年代から1950年代のキューバのダンサーや歌手の間で大いに受け入れられたということです。

なので、ダンソネーテは短期間で大きな成功を収めた音楽だと言えます。

 

ダンソネーテから発展したキューバ音楽

1940年代の終わりには、キューバのポピュラー音楽とダンスに変革が起こり始め、それがダンソンとダンソネーテの両方を追い越しました。

 

そして、ハバネラ(Habanera)、ダンソン、ダンソネーテなどから新しい音楽ジャンルが生まれ、クリオージャ(Criolla)も誕生しました。

 

ダンソネーテはまた、ダンスとしても大きな影響を与えたといえます。

このキューバ音楽はその後の10年間で、チャチャチャ(Chachachá)カジノ(Casino)といった新しいフォームの進化に貢献しました。

カジノ(Casino)についても後日別記事にて紹介しますね!



ダンソネーテの音楽構成と楽器

次にダンソネーテの音楽構成と、ダンソネーテの演奏で使われる楽器について見ていきましょう。

 

ダンソネーテの音楽は第1部から第4部の4つの部分からなっています。

それぞれ、序奏、トリオ、コーラスとフィナーレという異なる役割があります。

 

それぞれのパートで作曲者は、バイオリン、コルネット(トランペットととてもよく似た楽器)、トロンボーン、クラリネット、マラカス、クラベス、歌手など、オーケストラに関わる楽器の入場を示しているそうです。

 

ダンソネーテの踊りはダンソンとほぼ一緒!

最後にダンソネーテの踊りについて見ていきましょう。

 

実は、ダンソネーテの踊り(振付)のバリエーションはダンソンとほとんど変わりません。

ですが、1920年代の流行の衣装(サヤ(スカートの一種)が短くて軽かった)のおかげで、少し速く、軽快な動きができたという説もあります。

 

全体的にこのジャンルのダンスは、その陽気でリズミカルな雰囲気が、一度聴けば体を動かす気にさせるため、非常に親しみやすいものだったようです。

 

まとめ

ダンソネーテはダンソンのスタイルのひとつです。

これはアニセト・ディアス(Aniceto Díazという一人の作曲家&指揮者がダンソンをより良いものにしたい、より楽しいものにしたい、生まれ変わらせたいという想いで作った音楽です。

 

また、ダンソネーテは、のちにクリオージャ(Criolla)、チャチャチャ(Chachachá)やカジノ(Casino)などといったジャンルの発展にも大きく貢献しているため、短期間で成功を収めた音楽だと言えますね。

 

以上、今回はキューバ音楽「ダンソネーテ(Danzonete)」について紹介しました。

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